
Genichi
Watanabe
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ワタナベ家のちょっと過剰な人びと
出版社:海竜社
価 格 :1400円(税抜)
単行本:175ページ
発売日:2013/02/09
著者はチェリストであり、日本の知の巨人・渡部昇一氏の長男である。
母はピアニスト、姉もピアニスト、弟はヴァイオリニストという音楽一家。父は、子どもたちに幼い頃より独特な教育を課していた。
一日、一つの『論語』・百人一首の暗記・なわとび…と、始めたら一日も欠かすことは許されなかった。そのおかげで、毎日必ずやる! というパワーを叩き込まれ、どんなに厳しいレッスンでもめげることなく果敢に挑戦することができた。家族五人のエディンバラでの生活は家族の絆を強くし、家族それぞれの愛の過剰さが描かれたエピソードを読み進めて行くうちに、
家族っていいな、兄弟っていいな、と暖かい気持ちにさせられる一冊だ。
今一度、家族の有り難さを考えるきっかけになるエッセイである。
どの子供も「親に感謝している」と
言ってくれて、音楽の道に進んだことを
一生の幸せとしているようである。
「あとがきにかえて」より 渡部 昇一
目 次
はじめに 母はやっぱり母だった-金婚式
第1章 女は強いのか、弱いのか-ちょんまげ真子ちゃん
第2章 父の怒り、母の涙-二人乗り
第3章 毎日必ず例外なく-論語となわとび
第4章 尊敬できる「厳しい人」-天沼陸橋の恐怖
第5章 来るなら来い、俺は日本人だ!-エディンバラへ
第6章 特別な一年の輝いていた日々-エディンバラにて
第7章 本はどこまで増え続けるのか!-わが家の「本」権
第8章 WAKAMONOをドイツ語読みにすると-朝に道を聞かば
第9章 そろそろ仕事にかかってよいでしょうか?-過剰の原点
おわりに 中庸は徳の至れるもの?-父のひと言
あとがきにかえて (渡部昇一)
作家・翻訳家 三石 由紀子
『ワタナベ家のちょっと過剰な人びと』と題されたこの本は、渡部玄一の種の正体が良く見える。
長年、幼児教育に携わって来た私には、あらゆる意味で大変興味深いものだった。
「慈母に敗子(はいし)あり」といわれる。優しい母親に育てることができるのは、所詮、駄目な息子に過ぎないということである。
この本を読みながら、私は何度もその言葉を思った。「厳父慈母」が両親の理想のように言われて来たが、私は同意しない。
「この親にしてこの子あり」なのだと、積極的な意味で感心しながら読み終えた。
渡部玄一本人を知っている人には、ひきつる程面白い本なのだが、知らない人の目と世界を開く本でもある。
立派な大人になった男のご両親への感謝が読者の胸を打つ。
漫画家・作家・コメンテイター さかもと未明
超ハイソ音楽一家の、超絶面白ライフ!!!
六歳の子供に論語、レッスンを不真面目に受けて子供と母親が心中未遂。「やりすぎ」でしょ!!と突っ込みながら読んでいると、思わず笑ってしまい、次に涙ぐんでしまう。ワタナベ家の人々は、過剰な愛で結ばれているのだ。
「家族っていいな」「このくらい強烈に教育されてみたいな」と、思わせられてしまう。
これは面白本のふりをした、最良にして正統的な教育書である。

